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退屈しているおっさんの日記

「今夜終わらない物語」 座"K2T3 2008/07/12ソワレ

     本日オープンのカフェ。売りは焼き菓子。余談:那珂川「Chez sasahara」のクッキーは、生涯最高ウマイ。余談終わり。

     秦さんがすげー良い。隅々まで意識が行き届いてる。ここ何作か、クールな役が多かったので、今回はおやっと思った。私感だけど、クールな役がハマりだと思います。
     工藤さんの面白が少なかったのは残念。でも、あの役をやれるのは他にいないよなあ。
     長岡さんはいいね!。芝居が埋まってる感、かつ、フツーっぽい。クロサイに出てる時よりイイ。小技も利いてる。

     携帯は下手にあるのに、着信は上手で鳴ってた。なんじゃそりゃ。
     外壁の煉瓦を見せるためだけの、上手のスペース。一度も使わない贅沢というか無駄というか。外壁が煉瓦なんだぜ!って事を表現したいなら、もっとやり方がある。
     明かりが暗い。

     以下酷評なので畳みます。酷評を読んで不愉快になる人は読まないほうがいい。
     説教臭くてなどうも。俺の受け取り方がマズいのかもだけど。俺は、時間を使って、お金を使って、芝居を観に行ってる。目的は、楽しむため。そこで、劇作家の説教を延々と聞かされる。どうだこれ?。これは好みの問題なのだけど。

     役者が良いだけに、劇作のやり口は問題だ。と俺は思う。好みの問題だけど(二回書いた)。お話の部品は面白い。嘘とか、勘違いとか、浮気っぽい現場を押さえるとか、スイーツ(笑)とか。

     いやもちろん、説教を聞くのが好きな人もいるよ。扉座ていうか横内謙介さんの説教は俺は好きだ。
     好きか嫌いかは、説教の仕方に依るじゃない。言いたいこと(つまり説教)をそのまま台詞で喋るなら、それは演劇じゃなくても良いじゃない。紙に書いて、電柱にでも貼ってなさいよ。演劇で説教をやるなら、やり方があるんじゃねーの?。

     演劇に、テーマとか教訓とか説教とかが必要だと思ってる人は、少なくない。これ、中学演劇とか高校演劇のコンクールが元凶だと俺は思ってる。コンクールを勝ち上がるためには、主義主張が必要で、芝居を作る前に、何を伝えたいか、を中学演劇とか高校演劇の現場は考えてるんだね(と俺は思ってる)。その、伝えたいこと、を審査員に伝えること、を主眼として芝居作りをするもんだから、楽しめる/楽しめないと言う視点が置き去りになるんじゃね?。
     中学演劇や高校演劇はそれでいい。目的が「コンクールを勝ち上がる」ことならば。でも。客から金と時間を頂いて、芝居を観て貰うならば、目的は違うんじゃね?。(客の側にも、たかが金と時間を遣うだけで面白い芝居が見れる、という感謝は必要だけど)
     言いたいことを舞台上で表現するよりも、今回の舞台で楽しんで貰うことじゃね?。じゃったら、やり口は別にあるんじゃね?。

     もしも目的が「客の意識に変化をもたらす」ならば、全編説教な芝居はありだけど。じゃったら手段は演劇じゃなくてよかろうがい、紙に書いて電柱に貼れ、とそういうこった。ていうか、パンフレット読んだら、(主義主張を伝達すると言う意味では)もう帰っても問題ないし。
    「これ宗教?」
    と奥さんが言ってた。そういうこった。
     今回の作品にのみ思うことではないし、K2T3に対してのみ思うことではないけど。K2T3がこういう作品を上演すると、福岡の若手が
    「芝居って、説教をすれば良いんだ!」
    と思っちゃうんじゃない?。K2T3の作品を見た客が
    「芝居って、説教を聞くもんなんだ!」
    と思っちゃうんじゃない?。(判ってないやつは勝手に勘違いをすればいい話ではあるけど)

     ま、次に期待だ。