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退屈しているおっさんの日記

非・売れ線系ビーナス「20世紀累ヶ淵」 2009/07/18 マチネ

     面白かったよ!。リズムがいい。台詞のリズム、シーン切り替えのリズム、照明キッカケの切れ味も良い。カットクロスを軸にした組み立ては大好きだね!。

     その心地良いリズムを壊すものがある。気になる表現が所々に出てきて、
    「いまのは?」
    と考えていると、芝居に乗り遅れる。
    1. 「拐かしたくらいで大騒ぎしやがって」
      拐かして後どうしたのかが問題。拐かす=誘拐のこと。茶店で茶を飲んでただけでも、見る人によっては誘拐だし、身代金を要求したり、もっと非道いことをしたのかな?と思ってたら初手から乗り遅れそうになる。
    2. 「そこもとに赤ん坊が!」
      そこもと=あなたのこと。と思っていたけど、そこいらへん、って意味もあるらしい。
    3. 茨城はいばらきと読む。いばらぎではない。
    4. 切腹は、左から右へ行うものと思っていたけど、三島は右から左だったのかしら。

     俺の周りで、高評価する人も、まったく評価しない人もいる。次も見てみたいと思ったので、今回の作品が良かったのか、好みの問題なのか。
    • 田坂さんの小ネタがいちいち可笑しい。
    • 烏山さんは本当おいしいな。
    • 役者。アンサンブルとか絡みとかは巧いんだけど、個人技が残念という、これは珍しいパターン。
    • 金閣寺のシーン、動機を追及する辺りがすごい好き。小説「金閣寺」を読んだことがないので、劇団のセンスなのか三島のセンスなのかが判然としないけど。こういう、内面の醜さは好きだな。
    • ルイがアツヒロを自分だけのものにしたがる、その内面を観察したかった。谷五郎が、前世がどうのじゃなくて。
    • 顔に痣があるから、あの髪型なのは解るけど。その所為で表情が見えないのは、芝居としては勿体ないね。