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広東、上海、過去、現在、この世、あの世、夢、現実、嘘、本当。混沌の果ての安寧。なのかな?。桐野さんの気持ち悪い小説は絶品だけど、この気持ち悪さは新しい。
ミステリではない。「魂萌え!」を読んだときは、
「ここで不幸に突き落とされる……はず……」
と思いながら読んだけど、本作はそんなことなく。第一章が苦しかったけど後はすんなり。
単行本と文庫本は、最終章が違うんだって。単行本の終わり方は、あやふやで優しい終わり方。俺は好き。文庫本はどうなってんだろ。
単行本一刷りP284一行目。穂積に抱かれながら、唐突に「松田」の名前が出てくる。何故?。穂積の誤り?誰か教えてくれー!。
小学一年生の夏休みだったか冬休みだったか。読書感想文を書け、という宿題が出た。
「どくしょかんそうぶんとはなんぞや?」
の説明は無し。これはひどいタスクの振り方だーねー。
今なら、本を読んで、全く関係ないことを書けば良いんだ、ということを知っているけど、当時はそうではない。六歳の子供は、全く関係ないことを書くための、経験の引き出しも小さいし、ね。
俺が提出した「家なき子」の読書感想文を読んだ当時の担任は、
「これは優秀なので、市(の教育委員会)に提出します。ついては書き直しをしなさい」
と言った。何をどう直せば良いのか提示されないまま、何度も書き直しを命じられる。これも今なら
「感想を書き直せとか、頭大丈夫?」
「やれやれ。社会を経験してない教師はこれだから……」
「ていうか、市(の教育委員会)に出すとか頼んでないし」
と言える。小学一年生の国語の成績が1だろうが5だろうが、その後の人生には大して影響しない。むしろこういう教育が、本を読まない人を作っちゃうことが、国語力の養成にとっては障害だ。
青少年諸君は、上記を改変して、読書感想文を水増しすればいいと思います。読書感想文に、読書感想文という課題の感想を書いてはならない、ってルールは無いし、感想文書く暇があれば、もう一冊読める。国語力向上のためにはそっちが役立つわい。