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シェイクスピアの名作古典を、現代版に解釈。
面白かったよ。観た後、なにも残らない、と言う点で。娯楽とはこうあるべきだね。いまでは名作古典とされてる「夏の夜の夢」、当時は娯楽作品だったんだろうね。今でいう新感線バカバカ芝居とか、後藤ひろひとバカバカ芝居とか。
美しき夢のような眩しい世界であると共に、その影も色濃いのがこの祝祭劇ですえ?。俺はバカバカ芝居として観た。恋にのぼせている様子は、第三者視点からは滑稽なものだ。
アテネの王族・シーシアスがアマゾンの国を攻めて女王ヒポリタを強奪。今作はその2人が婚姻を迎えようとするある日のお話。アテネの国の若き男女の報われぬであろう悲痛の恋を眼前にしたヒポリタが、若き男女を通してみた真実の恋や愛とは何であるか
既に報道されていることなので書きますが、後藤演出はこの点を主軸においています
ハーミアに対するライサンダーの態度は、結婚→離婚のあるあるじゃんか。好きだから結婚したはずなのに、顔も見たくないほど鬱陶しい。
ロバに対するタイターニアの態度は、なんでこんな人を好きだったんだろ?のあるあるじゃんか。
終演直後、意味がわからなかった、と言ってる客(小学生のようだ)が居た。
意味とか無いよ。だって娯楽だもの。笑ったし、面白かったでしょ?。意味や教訓を探しながら観るなら、そりゃあ意味わかんねー筈だよ。学校の先生が「教育」と称して、教訓めいた芝居を強制的に見せるのが良くないんじゃねえの?。やれやれ。
意味がわからないなら、わからない、が本当のこと。それを教えるべき。例えば劇団健康「スマナイ」の主題(笑)は
「意味わからーん!」
だからね。
高校生の頃、学校から勧められて観たのは「奇跡の人」「風の墓」。前者は、ガッコのセンセがいかにも好きそうな話。後者はセンセ頭大丈夫?、と思っちゃう。作家の岡部耕大さんが、我が校の卒業生だから、ということでナニだったんだけど。そういう理由で、内容を知らぬママに生徒に見せようとか思っちゃうのは、職務怠慢ですね。税金泥棒ですね。
そういや「風の墓」は、今年9月に再演されるらしい。
役者連中が皆達者。安心して観ていられる。
イケメンと美女の恋の顛末、見応えあるわー。
ヘレナの顔芸(笑)。
タイターニア。表情と台詞がイイ。取り巻きもイイ。無駄が多くて、無駄が面白い。芝居がビッチリ埋まってる。大好きだ。
スタッフワークが素晴らしい。豪華絢爛。まさに夢だ。大道具、小道具、衣装。もう少し大きい額縁で見たかったな。
一発目の暗転をしくじってるじゃん。俺は見逃さない(笑)。夜のシーンにはピンが欲しいな。4本要るけど。
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