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大変楽しい催しだった。自分が面白いと思った芝居を、他の人はどう思ったの?自分がつまらないと思った芝居を、他の人はどう思ったの?って事を知れる点で。
- 批評タイムのあとで最優秀作品をもう一度観ると、もっと楽しめるね。とても観たい!。
- 実質4日間でこれを?基礎があるにしても凄い。
- 演出プランにはどの程度の時間を投入したんだろう?。
- 来年の柿喰う客公演がとっても楽しみ。
- 理由を聞かれているのに、経緯を説明しちゃうって何なの?。
- これまでの審査過程において、惜しくも漏れた団体を知りたい。
- village80%のこれからに期待。バネにするんだ!。
俺の感想は以下。幕間でのメモを基に。
柿喰う客
面白いもう一度観たいすんばらしい。これは歌舞伎だ。未来の歌舞伎だ。素晴らしい演出プランという基底があって、表現する肉体としての役者が完璧だ。演出の意図を実現するスタッフワークが完璧だ。演出が素晴らしいなら、脚本は何でもいいんだ。実際、台詞の内容を俺は殆ど聞いてない。リズムと声の演技に、俺の耳は集中していた。
笑ってはいけない長台詞がとても好き。台詞の意味と、舞台上に実現しているシーンが丸っきり無関係。すごく笑った。
柿ラヴ。ちょう愛してる。脚本に書いてあることを漫然となぞっている演出家(笑)は見習いなさい。
village80%
おもんない。途中で帰るレベル。突飛なことをやろうという意気込みは感じるけど、面白さに繋がってない。演出がダメなのか、表現する役者が下手なのか、それとも両方なのか。
よく頑張りましたの所詮は発表会レベル。柿のあとじゃなくてもそう感じるだろうと思うよ。
これが福岡で一番の演出力を持っている劇団(笑)だとしたら恥ずかしい。
面白いこそが正義。
40分程度*2を観たあとの、審査員の批評タイムも面白かった。森山直人さん(演劇批評家・京都造形芸術大学准教授)の批評に、俺はとても共感した。俺が思ったことを、整理して言語化してくれた。
柿喰う客の批評を聞きながらメモった、俺の感想は以下。
山田恵理香さん(演出家/空間再生事業 劇団GIGA)
「なんかー」「なんだろう」「そんなにー」的な抽象的な言葉が多くて、話が冗長。語りすぎて要点が判らなくなってる。GIGAの芝居は夢工房での旗揚げを観たきりだが、まだしばらくは観なくていいなと感じた。
多田淳之介さん(劇作家・演出家/東京デスロック主宰・キラリ☆ふじみ芸術監督)
おそらく山田さんと同じ事を言ってるんだけど、話が聞きやすかった。意図を正確に伝えることが出来る演出家は有能だと思う。機会があれば東京デスロック観てみたいな。
森山直人さん(演劇批評家・京都造形芸術大学准教授)
演劇の成立ポイントについて。とても共感できる話だった。
岩松了さん(劇作家・演出家)
その砂漠の芝居は観てみたい(笑)。こちらも共感できるお話。
ここから折り返してvillage80%の感想。
岩松了さん
「演出方法に迷いがある」
から始まって、人間とコロスの関係の話。それを聞きながら思った。
「コロスは、しらみとり夫人の動きを代理すべきだったのかも。夫人はスピーカーとして、無表情棒読み棒立ちで台詞を発声すべきだったのかも」
「人間は全て椅子に座り、無表情棒読み。コロスは表情豊かに演技する、って案もある」
森山直人さん
最後らへんの
「(新劇的な手法で)リアルにやった方が面白いかもねと思わせる」
の話が端的。下手な考えは休むに似たりってことですねー。署名はしなくていいよと。
多田淳之介さん
「舞台との契約関係がうまく結べなかった」
に同意。なにに着目すれば面白く観られたのかなあ?。なにに着目して観て欲しいと思って、village80%はこれを作ったのかなあ?。
山田恵理香さん
舌鋒鋭く声大きく、
「おもんない」
って事を言ってた。
「説明しすぎて云々」
の件は、この人の話にも当てはまるんだが(笑)。
柿喰う客の批評の中では、
「これが素晴らしかった、これが残念だった」
という話が中心だったのに対して、village80%の批評の中では
「柿喰う客がこうだったのに対して、village80%はこうだった」
という話が多かったように感じた。順番が関係しているのかなあ?。それだけとも思えないけどね(笑)
以下雑感。