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退屈しているおっさんの日記

INDEPENDENT 2ndSeasonSelectionJapanTourFukuoka 2011/08/28

     一人芝居を面白いと思ったことがあんまり無い。だけどそれは、今まで面白い一人芝居を見たことがなかったからだ、と確信した。
     思うに「ある程度の尺を用意しなきゃいけない」と創る側が思っているから、面白さが薄まるんじゃないの?。30分なら芝居の面白さを凝縮して、一人芝居を創ることが出来るんじゃないの?。
     今日はいろんなタイプの芝居が見られて、すごく良い体験だったな。
    1. 「時間切れを待ちながら」
       長崎、謎のモダン館の作品。以前、ぽんプラザで本公演を観たときは、正直イマイチだった。それが一人芝居って大丈夫なの?と思っていたけどゴメンナサイ杞憂でした。
       白濱さんの演じ分けが見事。白眉は看守が手錠を外して死刑囚に入れ替わるシーン、自然だし瞬間変貌だしほんに素晴らしい。マイムも完璧。
       脚本も良くできてる。伏線と回収がうまい。台詞も綺麗。ぴったり終わってる感じがする。いいねーこれ。

    2. 「いまさらキスシーン」
       東京、柿喰う客の作品。実は、これをものすごく楽しみにしていたんだ。柿の舞台は俺の好みにピッタリだし、この作品とペアになってる「いきなりベッドシーン」も評判が高い。柿がやる一人芝居ってナニソレ!観たい!
       玉置さんのすごい身体能力。体力と筋肉。演劇は文化系のスポーツで、役者はアスリート。滑舌も超スピード。
       台詞がぶっ飛んでる。同じフレーズの繰り返しも柿らしい。オチがちょっと。好みの問題なのかな。
       本公演で来て欲しい。通常バージョンと、乱痴気公演を観たい。東京に観に行けって話かなあ。

    3. 「赤猫ロック」
       こ れ は す ご い 。
       "♪うちのとうちゃん放火が趣味♪むしゃくしゃしたらすぐ点ける♪"
       ビートに乗って、笑って泣いて、嬉しい気分にも嫌な気分にもなった。劇場で味わう気分の全てを味わって、その振れ幅がとても大きくて、まさに芝居のダイナミズムだわこれ。あの子には幸せになって欲しかったなあ。
       ヤマサキさん超がんばれ!と思いながら観た。
       満月動物園は不勉強にして観たことがない。是非とも観たい。この演出を思いついた戒田さんはキチガイだと思う(褒)。

       居残りしてもう一回見たよ。見なかった人は残念でした。

    4. 「森田と林田」
       おもんない芝居ってこうだよねの見本。途中で帰るレベル。
       俺はこういうのを観たとき、話が有って芝居が無い、と思う。台詞が説明ばかりなんだよね。「〜だった」的な語尾の。それはト書きじゃんか。演技になり得ないじゃんか。
       筋肉のない役者が舞台上でフラフラしてる、演じ分けができてない、表現が乏しい。溜息だなあ。
       自己満足に終始してんじゃないのかな。コールでのピースサインなんかまさにそれ。

    5. 「或るめぐらの話」
       めぐらの芝居が上手い。だけど津軽弁がわからんかったわー……。理解しきれなくて残念。

    6. 「スクラップ・ベイビィ!」
       話を詰め込みすぎの気がする。話を追いかけるのに頭を使っちゃって、もっと役者を観たいんだよね。好みの問題だけど。
       演じ分けが上手なのだから、役者を魅せる方向の作品で見たいなあ。物語よりも。
       絵面が綺麗。役者、衣装、照明。音楽も。
    blog.tomorrow-japan.com