臥煙
旗本屋敷の中間として雇われ、普段はプラプラしてるけど、火事場では命を厭わず。
ある現場。ウチの会社からヒトを派遣していたけど、そいつがばっくれ。弊社のエンジニアが粗相をいたしまして大変失礼しました。全力で消化に当たります私ながのです。
小火だと思って消火活動を開始したらwおまwこれwテラ時限爆弾wwww。
カウントダウンは既に開始されている。爆発までは2週間。爆発物処理班が編成されるんだけど、こちとら火消しだ、爆弾は専門外だよ!。臥煙といっても、命は惜しいわ!。
それでも、と言われてまごまごと下働き。
大体ね、プロジェクト内での問題は、プロマネがその責任を負うべきだね。時限爆弾が仕掛けられていることに気づかないのは、チェックポイントでレビューをしていないからでしょうが。派遣契約とは、指揮命令の権利があるが、管理の義務もある。
逆に、期日までに、指定のものが出来上がればよいのが請負契約。エンジニアが逃げたので出来ませんでしたとは言えない。
だから今回のケースは
「そりゃたいへんですねー。じゃあまた」
と言っても、法律上は問題ないはず。
けれども後のビジネスを考えると
「責任はそちら。リカバリは最大限の協力をするけど」
といったスタンスがベター。
ばっくれたやつは、マジぶん殴るよ!、と思ってる。だけど俺が手を出すまでもなく、彼の今後の人生は暗いだろう。
夜な夜な頭をかきむしり、逃げたことを後悔するに違いない。
あのとき逃げたやつだ!と突然に指差されることを恐怖するに違いない。
夜道の一人歩きも危険だ。
と思うと、すこし溜飲が下がる。
とはいえ、一週間の稼働が80時間を超えては、平常心を保つのは難しい。人に優しくすることで、心穏やかになれるライフハック。
くそムカつく2週間だった。
今日一日だけを我慢する。明日は切れて怒鳴る。
と思い堪える毎日。ごほうびくれ。わんわん。