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博多弁の芝居は好き。ただし。
博多弁の語感的に、意志のはっきりしない言葉には向かないのかも、と「春、」を観ながら思った。ネギシの台詞が飲み込みやすく、男の台詞が飲み込みにくいので。
これは、俺が静かな演劇が苦手な所為もあるのだろうけど。
練り込まれた会話劇だというのは解る。謎解きも。だけど、それを伝える手法が、静かな演劇である必要は無いと思うのだけど、どうだろう。テンポ悪いなー、と思いながら観た。
さらに言うと、演出の意図が見えない。脚本に忠実な舞台化でもあるし、工夫されていないとも言える。
やっぱり静かな演劇は苦手だな。
照明に関して。どうも暗いなあ(比喩的な意味でなく)と思って天井を見上げると、CLのみが配置され、Frが配置されてない。だから、アクティングエリアの外を向いた役者の顔が暗くて見えない。真正面から観てた客は気にならないと思うけど。
部屋明かりを写実的にやろうと思うとこうなるのは判る。蛍光灯っぽい明かりになってた。けど……。
対して「よかっちゃん」は、賑やかな手法で演出してみせる。過剰。これまた好みでない。
観客参加型(笑)。
蝉の鳴き声を真似させたり、客席出ハケることじゃ無いと思うのだけど。ましてや客イジリとは違う。先日観た「睡稿、銀河鉄道の夜」は楽しく参加できたのに、今回の作品は鬱陶しくてたまらぬ。中盤から蝉の鳴き声は放棄して、指揮してる役者をまんべんなく眺めたり、場転を観たりしてた。
中村さんの自虐が好きだ。
コロスの二人は卑怯すぎる(褒)。
エロいほくろ。
総じて実験的なのかな。だとすれば、両演出の今後に期待。